2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350042
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
辻 幸一 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 教授 (30241566)
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Keywords | 蛍光X線分析 / 固液界面 / その場分析 / 元素分析 / 元素マッピング |
Research Abstract |
水溶液中にX線を導入し蛍光X線分析が可能な装置を開発することを目的として研究を進めてきた。研究目的は、開発した装置を用いて水溶液中の固体表面、すなわち、固液界面を直接的にその場で観察することである。この分析方法の特性、どのような試料に対してどのような情報を得ることができるかなど、基礎的な情報を調査することも目的とする。具体的な測定対象としては、めっき析出反応や金属の腐食反応であり、これらの化学反応の詳細なその場解析などに応用することを検討した。 今年度は固液界面もしくは液液界面近傍から微小体積の溶液試料を採取し、その溶液試料を全反射蛍光X線分析法により高感度に定量分析を行うこと方法を検討した。このためにナノリットル容量を取り扱えるディスペンサーを用いて、1マイクロリットル程度を補修し、数10ナノリットルをガラス基板に滴下乾燥する方法を採用した。Gaなどの内標準元素を用いることによりppbレベルの分析が可能であることが確認された。鉄鋼試料を酸溶液中に浸漬し、時間毎に微小溶液を採取し全反射蛍光X線分析法により定量を分析を行うことにより鉄鋼試料の腐食挙動をモニターすることに成功した。また、研究代表者が進めてきた3次元蛍光X線分析法も固液界面分析やマイクロチップ中のキャピラリーを通過する溶液の分析などに適用することができた。この3次元蛍光X線分析法ではを数10ミクロンの空間分解能で、溶液の採取を行うことなく非接触で、微小体積溶液中の元素分析が可能であるため、今後、さらなる空間分解能の向上と適用範囲の拡大を目指して、研究を継続していきたい。
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Research Products
(42 results)