2007 Fiscal Year Annual Research Report
医療計測のための超高感度・多項目免疫センサーの開発
Project/Area Number |
19350044
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
水谷 文雄 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 教授 (80118603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 修 産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 副部門長 (70392644)
栗田 僚二 産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究員 (50415676)
久本 秀明 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00286642)
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Keywords | バイオセンサー / 免疫センサー / ペプチドホルモン / マイクロチップ / 高感度測定 / 化学増幅 / 電気化学 / 酵素免疫測定 |
Research Abstract |
近年「その場」での疾病マーカーの迅速、簡便な測定が強く望まれている。簡便な計測、システム構成の目的には電気化学測定デバイスを組み込んだマイクロチップの利用が好ましいが、疾病マーカーのその場測定のためには、前者には百〜千倍程度の感度の向上が必要、後者には送液システムの簡便化が必要であるとの大きな課題が残る。そこで本研究では、a)化学増幅測定法の開発・利用による高感化、特に血液成分の妨害を受けない増幅系構築、b)々イクロリアクター技術の利用、c)化学修飾キャピラリーを用いたマイクロチップ権築と簡易な送液技術開発、を行い、これらの成果を統合して1)微量(数μL)の試料を用いるだけで、2)極低濃度(pM-fM)の、3)多種類のペプチドホルモンを、4)迅速かつ5)簡便(オンチップで送液ポシプ等不要)に測定するためのセンサーを開発する。19年度は、化学増幅に関し基質としてp-アミノフェニルピラノシドを用い、β-ガラクトシダーゼ反応により生成するp-アミノフェノールを電解酸化/酵素還元する基質サイクリング法、およびグルコース酸化酵素反応により生成する過酸化水素をペルオキシダーゼを含有するOs(II)錯体高分子膜上で反応させてOs(III)を蓄積させ、その後還元する方法の2つを開発した。β-ガラクトシダーゼ、グルコース酸化酵素ともに血中の活性は事実上ゼロであるので、これらのを標識酵素とする酵素免疫測定系を構築した場合、血液試料が非特異吸着しても過大なセンサー応答が与えられる恐れはない。実際後者の系を利用してインスリンの免疫測定を行ったが、血液試料中への添加回収試験において上記の問題は認められなかった。また、多成分の同時測定が可能なマイクロセルを開発した。さらに簡易送液可能なデバイスとして、疎水性流路上に試料を滴下し、反対側から試料を吸引する過程で、流路に隣接した親水性のマイクロセル中に毛管現象により試料を導入する系を開発した。
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Research Products
(20 results)