2007 Fiscal Year Annual Research Report
不斉[2+2+2]付加環化反応による革新的軸不斉配位子合法の開発
Project/Area Number |
19350046
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 健 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40359683)
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Keywords | 付加環化反応 / 不斉合成 / 軸不斉 / 配位子 / ロジウム / ホスフィン / アルキン / 芳香族化合物 |
Research Abstract |
本研究では、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を用いた不斉[2+2+2]付加環化反応に、合成容易かつ安定なヘテロ原子で置換されたアルキンを用いることにより、1)芳香環の構築、2)芳香環へのヘテロ原子導入、3)軸不斉のエナンチオ選択的構築、の3つをワンステップで達成可能とする、新規軸不斉配位子の革新的不斉合成法の開発を検討した。その結果、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒存在下、α,ω-ジインとアリールアルキニルホスフィンオキシドを反応させることにより、安定な軸不斉を有するオルト四置換ビアリールホスフィンオキシド誘導体の高エナンチオ選択的合成に成功した。また、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒存在下、α,ω-ジインとN,N-ジアルキルアルキニルアミドを反応させることにより、安定な軸不斉を有するN,N-ジアルキルベンズアミド誘導体の高エナンチオ選択的合成にも成功した。さらに、対称ジアルキニルポスフィンオキシドの不斉非対称化反応によるP-キラルアリールアルキニルホスフィンオキシド誘導体の高エナンチオ選択的合成にも成功した。新規不斉配位子合成のための基礎的な検討として、軸不斉アニリド及びアリールピリドンの高エナンチオ選択的合成、C2対称ジカルボン酸エステルの高エナンチオ選択的合成、4置換不斉炭素を有する光学活性シクロヘキセン誘導体及び光学活性保護アミノ酸の高エナンチオ選択的合成、エノールエステル/エーテルを用いた芳香環構築反応、等にも成功した。
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