2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性種複合化を特徴とする革新的ラジカル連鎖反応の開発
Project/Area Number |
19350051
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柳 日馨 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 教授 (80210821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 高英 大阪府立大学, 理学系研究科, 講師 (60332962)
小林 正治 大阪府立大学, 理学系研究科, 助教 (30374903)
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Keywords | ラジカル / 連鎖反応 / 一電子移動 / 光照射反応 / 金属カルベノイド / 臭化銅 |
Research Abstract |
本基盤研究ではラジカル反応にイオン反応や遷移金属触媒反応を組み合わせた連鎖反芯系を構築しラジカル種と非ラジカル種である短寿命活性種が複合的に機能するシナージー効果を発揮できる反応系の開拓を目的としている。平成20年度においては新反応系開拓のための探索実験に多くを費やした。その結果、得られた研究実績は以下の通りである。 シアノボロヒドリド試薬を水素源とし芳香族ヨージドに光照射を行うことでアリールラジカルを発生させ電子不足アルケンでの捕捉反応を試みた。その結果、期待したアリール置換化合物を得ることに成功した。なおこの反応では芳香族ヨージドへの電子移動によるラジカルアニオンの生成が鍵と考えられ、アリールラジカルの直接水素化も競争した。一方、トリエチルアルミニウムとメチレンヨージドを用いるアルケンのシクロプロパン化過程に酸素を積極導入することでシクロプロパン化が促進されることを明らかとした。促進の理由として、エチルラジカルの発生に始まりアルミニウムカルベノイドの生成にラジカル機構が関与する可能性が強く示唆された。より一般性のあるジエチル亜鉛とメチレンヨージドによるシクロプロパン化反応における亜鉛カルベノイドの生成においてもラジカル反応の関与を含む反応機構を提案するに至った。金属種が関与するラジカル反応として臭化銅(II)を用いるラジカル臭素化を6員環の1,3-ジケトンを基質として詳細に検討した。本系では活性メチレンの臭素化と共に脱HBrを経て芳香族化が一気に達成される連続型変換反応が見出された。
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Research Products
(8 results)