2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異分子配向特性を持つ高分子薄膜による光応答表面の創成
Project/Area Number |
19350056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 隆広 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40163084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹岡 敬和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20303084)
永野 修作 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40362264)
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Keywords | 表面グラフト / アゾベンゼン / 液晶高分子 / 光配向 / 真空紫外光 / 光酸化表面 / ぬれ性変化 |
Research Abstract |
高分子ブラシは高分子鎖の一端が表面に化学・物理的に固定化された構造であり,グラフト鎖密度に応じて縮んだ構造から伸張した構造へと変化するため新たな表面改質手段として利用できる。新たな光機能性超薄膜のデザイン設計を目指し、表面開始グラフト重合の手法を用いて、アゾベンゼン液晶高分子を基板上に形成させた。通常のキャスト膜とは配向が大きく異なり、側鎖メソゲンが基板に対して平行に配向し、液晶層構造(スメクチック構造)が基板平面に垂直に配向する特異な液晶構造を有することを突き止めた。この配向特性のため、直線偏光に対する再配向挙動は極めて効果的であることを示した。 高分子ゲルのバルク材料としての機能をそのまま残し、表面のみを新たに機能化する材料プロセッシングの手法の提案を目的として、真空紫外光(VUV)をゲル高分子表面に照射し、その酸化反応により生じた化学機能表面を利用してアゾベンゼンを表面修飾することを試みた。高分子ゲルシートの調製とVUV酸化処理により表面に生成する反応点置換基の同定およびVUV光分解を利用したフォトパターニングを行った結果、膜の表層にヒドロキシル基が優先的に生成することが、XPS測定および蛍光ラベル化処理によって確認された。さらに、VUV光の光分解条件の強弱を利用することで、光パターニングやグラデーション処理が可能であることを明らかにした。この表面を用いて、アゾベンゼンのトランス/シス光異性化により、ぬれ性の光制御ができることがわかった。この際、この表面は水中で光反応を進めるか空気中で行うかでその環境を記憶して応答するスマート表面として機能することがわかった。
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Research Products
(7 results)