2008 Fiscal Year Annual Research Report
ホスト・ゲストモデルペプチドを用いたコラーゲンの構造安定化機構の解明
Project/Area Number |
19350059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 健二 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30038020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 文俊 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70214468)
川口 辰也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10314353)
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Keywords | コラーゲン / 三重らせん構造 / 構造安定化機構 / モデルペプチド / 単結晶解析 / 高分解能解析 |
Research Abstract |
我々は最近、天然コラーゲンの繊維構造解析の結果と、モデルペプチド単結晶の高分解能解析結果から、コラーゲンの分子構造はRich&Crickモデルではなく、我々が提案している7/2-helixであることを発表した。本研究では、我々のコラーゲン構造研究の実績を基にして、コラーゲン三重らせんの安定化機構を構造の立場から解明する。以下、本年度の研究成果を記す。 1.主鎖のN-Cα結合が環構造の一部になっているProやHypは、一般にコラーゲンのTmを上げ、構造を安定化することが知られている。N-Cα結合が5員環でなく6員環の一部となっているピペコリン酸(Pip)を、ゲスト部に持つPPG4-Pro-Pip-Gly-PPG4の単結晶化に成功し、強度測定を行った。 2.一般に、HypがX-Y-Gly配列中のY位にくると構造は安定化するが、X位にくると不安定化することが知られている。この原因を解明するためにゲスト部にHyp-Hyp-Gly,Hyp-Pro-Gly,Pro-Hyp-Glyを導入したPPG4-XYG-PPG4の構造解析を終了し、それら構造の検討から、X位のHypは、Y位がProでなければ、常にup-puckering構造であることを見つけた。 3.疎水性の程度が異なるペプチド結晶中の第1水和水と、第2水和水を系統的に調べ、第2水和水の大部分は、分子の疎水性表面をカバーするクラスレート様の水であることを明らかにした。これは、配列中の疎水性残基も周囲の水と接触せざるを得ないコラーゲンらせん特有の現象であろう。
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Research Products
(4 results)