2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350061
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松本 章一 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 教授 (00183616)
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Keywords | ラジカル重合 / 分解性ポリマー / 交互共重合 / 分解性ゲル / ポリスルホン / 酸素架橋 / ジエンモノマー / 酸化反応 |
Research Abstract |
初年度の平成19年度は、主として新規分解性ポリマーの合成と分解特性評価に取り組み、さらに取り外し可能な分岐・架橋ポリマーの構造ならびに物性制御についても一部予備検討を開始した。まず、生成ポリペルオキシドの物性制御のため、原料モノマーとして適用可能なモノマーの探索についてジエンモノマーを中心に検討した結果、炭化水素系環状ジエンモノマーを用いると、これまで知られているソルビン酸誘導体等から得られるポリペルオキシドと異なる分解機構でポリペルオキシド主鎖が切断し、異なる熱分解特性を示すことがわかった。生体環境下での分解挙動についても検討を行った。さらに、酸素とジエンモノマーの組み合わせ以外の分解性ポリマーを合成するため予備探索を行ったところ、二酸化硫黄とジエンモノマーのラジカル交互共重合によって構造制御されたポリマーが容易に得られることを新たに見出した。ここで生成するポリスルホンは比較的分解の起こりやすいポリマーであり、モノマーへの解重合が容易に起こることを確認した。さらに、ポリマーの主鎖中に含まれる不飽和結合への水素添加を行うと、熱安定性に優れた新規なポリマーに変換できることを見出した。さらに、ポリマーの末端や側鎖に効果的にジエニル基を導入するため、エポキシ基や酸無水物構造をもつジエン化合物をジエニル化のための反応剤を検討し、合成や原料入手が容易なソルビン酸グリシジルエステルとソルビン酸無水物がジエニル化剤として有効であることを見出した。架橋点のみにポリペルオキシ結合を含むポリマーゲルでは分解に伴う発熱量が抑えられ、取り扱いに優れた分解性ポリマー材料を提供できることを見出した。また、得られたポリペルオキシドの構造ならびに力学特性を検討するため、粘弾性測定装置を購入し、関連ポリマーの物性測定を開始した。
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Research Products
(11 results)