2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350062
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大矢 裕一 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (10213886)
|
Keywords | 超分子化学 / 自己組織化 / ポリカテナン / 光反応 / 核酸 / DNA / 分子スイッチ / 電気泳動 |
Research Abstract |
DNAは,水素結合により相補鎖を特異的に認識・結合でき,酵素による切断や接合が可能であるなど,ナノスケールでの分子組織体を構築するのに最適な素材である。本研究では,この特徴を利用して,合成が著しく困難とされてきたインターロックト超分子化合物であるポリおよびオリゴカテナンの合成を試みている。今年度は,光連結反応が可能なカルボキシビニルウラシル(CVU)を用いて,前年度までのTemplate Assisted Polycatenationの考え方に基づき,光連結反応によるDNA[2]カテナンの調製を試みた。接合部末端にCVUを導入した2種類の60merオリゴDNAとテンプレートDNAを混合し,氷冷下でトランスイルミネーターを用いて365nmの光照射を行った。反応生成物を直鎖状DNAを末端から切断・分解するエキソヌクレアーゼで処理した後に,8MのUreaを含有した8%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって同定を行った。残ったバンドはエキソヌクレアーゼ処理後の結果なので,DNAは環状構造を有していると考えられ,また,8M Urca含有条件であるため相補鎖と水素結合を形成していない。この状態で,環状60merDNAよりも高分子量側にバンドが現れたのは,環状構造を有するDNAが機械的に連結しているからであると考えられ,DNA[2]カテナンの生成を示唆する結果が得られた。また,光反応後にさらに302nm付近の光照射を行った場合には,このようなバンドは観測されず,光照射によりカテナン構造の解離が可能であることが分かった。以上のようにカテナン構造の光による形成と解離を制御可能であることが示された。
|
Research Products
(10 results)