2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350062
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大矢 裕一 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (10213886)
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Keywords | 超分子化学 / 自己組織化 / ポリカテナン / 光反応 / 核酸 / DNA / 分子スイッチ / 電気泳動 |
Research Abstract |
本年度はDNAカテナンのナノ(分子)マシンとしての機能を評価することを目的として研究を行った。以前報告したTAC法を応用して,蛍光色素としてフルオレセインとTAMRAを所定の位置に導入した蛍光色素導入DNA[2]-カテナンの合成を酵素法により行った。電気泳動法により,目的とする色素導入DNA[2]-カテナンの生成を確認した。8Mの尿素を含む12%ポリアクリルアミドゲルを調製し,100Vで5時間泳動させ,目的とする二種類の蛍光色素を導入したDNA[2]-カテナンが得られていることを確認した。 続いて,合成した蛍光色素導入DNA[2]-カテナンのナノマシンとしての機能評価を行った。駆動力となるFuel DNAを添加する前後での蛍光スペクトルを測定し,ナノマシンとしての動作を確認した。このシステムでは,初期状態では,フルオレセインとTAMRAが近接するように,Fuel DNA添加後にはDNAの相補鎖の組み換わり・回転が起こり,それらが空間的に離れるよう設計した。初期状態での蛍光スペクトルを測定し,蛍光共鳴エネルギー移動により,フルオレセインの蛍光消光とTAMRAの発光が見られることを確認した。次にFuel DNAを加えて,アニーリングを行い,フルオレセインの蛍光強度が増大することを確認した。さらに,Fuel DNAと相補的なAnti-fuel DNAを加えた後に再度アニーリングを行ったところ蛍光消光が起こり,初期の状態に戻っていることを確認した。これらの結果から,設計通りにDNA[2]-カテナンがナノ(分子)マシンとして働くことが示唆された。
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Research Products
(5 results)