2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350071
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
袁 徳其 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70304962)
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Keywords | 化学発光 / シクロデキストリン / エネルギー移動 / 超分子化学 |
Research Abstract |
1.分子認識部位と色素間の協同作用の最適化 CD空洞の大きさと形状、空洞と色素の相対的立体配置などはTCPOに対する認識能や包接されたTCPOと色素間の立体的関係を制御すると予想されるので、前年度で選別した色素クマリン及びフルオレセインを中心にして、CDおよびスペーサの構造を変化させることによってCD空洞と色素が最も共同作用しやすい組み合わせを見出すことを図った。α、β及びγ一CDの6-OH、3-OHおよび2-OH一個をアミノ基に置き換えた後、色素を導入し、CD空洞の大きさと形状、空洞と色素の相対的立体配置などが互いに異なったCD-クマリンおよびCD-フルオレセイン連結体を計16種類合成し、構造を決定した。これらのCD-色素連結体をTCPOと過酸化水素との化学反応に用い、反応に伴う化学発光の強度を測定して分子認識素子の導入による化学発光の増幅効果について検討を行った。その結果、CD-クマリン連結体の場合では、αおよびγ-CD-クマリン連結体より、β体は遥かに大きい発光強度を示した。また、クマリンをβ-CDの3位に結合したものに152倍の最も大きい増幅効果が観察された。フルオレセイン系では、β-CDの6位に結合したものは最も効果的であり、52倍の増幅効果を示した。 2.超分子化学発光効率を制御する要因の解明 各色素の吸収および蛍光効率を測定し、CDが励起状態になった色素の発光効率に有意な影響を及ぼすことが認められなかった。その結果、CDは主に色素の化学的励起の段階で機能する、即ち、化学反応から色素へのエネルギー移動の効率を向上することが明らかとなった。また、NMRそくていにより、CD-色素連結体とTCPOとの超分子形成を裏付けた。
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Research Products
(11 results)