2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350071
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
袁 徳其 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70304962)
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Keywords | 化学発光 / シクロデキストリン / エネルギー移動 / 超分子化学 |
Research Abstract |
1. トポロギー制御した蛍光性色素の創出 シクロデキストリンの一級水酸基側をシステインでキャップし、それにダンシル、クマリンなどの色素を導入し、endo-型とexo型のトポロジーを有する蛍光色素計8種類を合成し構造を決定した。これらをシュウ酸エステルの化学発光に用いて発光効率を評価した。いずれの色素もシュウ酸エステルの化学発光反応において増幅効果を示したが、以前に検討した相応の柔軟な色素-シクロデキストリン連結体に及ばなかった。 2. 分子認識型多量体蛍光性色素の創出 β-及びγ-シクロデキストリンの一級水酸基側にクマリン残基を二つ導入し、計7つのクマリン二量体を合成し構造決定した。いずれの色素も相応のクマリン単量体の数分の一の増幅効果しか示さなかった。紫外-可視光吸収スペクトル、蛍光スペクトルおよび円二色性スペクトル測定により、化学発光の各段階について検討を行った。その結果、色素残基間の相互作用による蛍光消光が起こったが、化学エネルギーによる色素の励起効率は相応のクマリン単量体と同程度かそれより僅かに改善した。 3. 蛍光性デンドリマーの創出 ポリプロピレンジアミンデンドリマーの外縁にβ-及びγ-シクロデキストリンまたはそのダンシル修飾体を16-32個導入し、シクロデキストリンのデンドリマーを構築し、その分子認識能はシクロデキストリン単量体より、3桁増強したことを明らかにした。しかし、これらの色素デンドリマーの合成および分離は困難であるため、化学発光の検討に必要な量を入手することが今後の課題として残った。
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