2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350072
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩見 大輔 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40260799)
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Keywords | 磁性 / 超分子化学 / 分子性固体 / ラジカル / フェリ磁性 / 核酸塩基 / シトシン / グアニン |
Research Abstract |
天然型と非天然型の核酸塩基に安定なニトロキシド系ラジカルを置換した「安定ラジカル導入型核酸塩基」を合成し、核酸塩基間の相補的水素結合を活用した異種分子集積系-ヘテロ分子・ヘテロスピン集合系-を構築することを目標とする.基底三重項(スピン量子数S=1)のビラジカルと基底-重項(スピン量子数S=0)のビラジカルをそれぞれシトシンに導入した誘導体を合成した.基底三重項のビラジカルを用いて、閉殻のグアニン誘導体との1:1の水素結合錯体を得た.単結晶X線結晶構造解析により、分子配列は予想通りに水素結合で制御されていることを明らかにした.この錯体は、Watson-Crick型塩基対にS=1の安定な開殻分子種が導入され、結晶構造が確認された初めての例である.さらに、基底三重項のビラジカルからも、S=1/2のモノラジカルーグアニン誘導体との水素結合錯体が得られた.X線結晶構造解析から、ビラジカル-モノラジカル間でのWatson-Crick型ヘテロスピン対形成を明らかにしたる.このシトシン-グアニン錯体では、塩基対間のside-by-sideの水素結合により、塩基対の交替的な一次元水素結合ネットワークが形成されており、これによりビラジカル部位とモノラジカル部位の交互一次元配列が達成されたる.これらシトシン・グアニン系とともに、チミンのビラジカル誘導体とジアミノトリアジンのモノラジカル誘導体を合成し、X線結晶構造解析から分子構造を明らかにした.
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Research Products
(13 results)