2007 Fiscal Year Annual Research Report
永続的グリーンエネルギーシステムを目指した機能性細孔物質の構築
Project/Area Number |
19350077
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
森 和亮 Kanagawa University, 理学部, 教授 (60029709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 伸浩 神奈川大学, 理学部, 教授 (30214852)
齋藤 太郎 神奈川大学, 理学部, 教授 (90011006)
西本 右子 神奈川大学, 理学部, 准教授 (70241114)
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Keywords | ナノ細孔物質 / カルボン酸金属錯体 / 気体吸蔵 / 水素貯蔵 |
Research Abstract |
近年、MOFs(Metal-organic frameworks)が水素吸蔵において有用であることも報告されてきている。 MOFsの水素吸着能についてはDOE(U. S. Department of Energy)が2010年までに6.0wt%、2015年までに9.0wt%の目標値を掲げている。日本でも経済産業省主導でNEDOにおいて「水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術研究開発(WE-NET:World Energy Network)」が進められてきた。 本年度は、テレフタル酸銅(II)・ピリジンなどの単核錯体を出発原料に、コバルト・銅・亜鉛を中心金属に有するランタン型二核錯体の合成に成功した。本合成法の発見により、従来の合成法では合成が困難であったコバルトや亜鉛のランタン型錯体の合成も可能となった。構造はテレフタル酸金属錯体の二次元シート間を軸配位子としてDABCOを用いて架橋し、三次元構造をとる。いずれの錯体も、原料として用いた単核錯体に比べ熱安定性は飛躍的に向上し、気体吸着物質として非常に有用である。それぞれの錯体の水素吸着能はコバルト錯体が77K、10MPa下で最大4.11wt%(4.42MPa)、銅錯体が77K、10MPa下で最大2.70wt%(3.37MPa)、亜鉛錯体が77K、10MPa下で最大3.17wt%(8.32MPa)であった。これまでの研究において、様々な細孔物質における気体の最大吸着量は表面積及び細孔容積に大きく依存することが明らかになっている。 本年度、合成した3種の錯体についてそれぞれ水素吸着エネルギーの計算を行い、これまでに報告された様々な細孔を有する物質の水素吸着エネルギーと比較を行った。その結果、0.1MPaまでの低圧条件下においては、水素分子径により近い細孔径を有する方が、水素吸着において有利であることが確認された。
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