2007 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロンの糖鎖認識を原理とした新規細胞ストレスセンシング法の開発
Project/Area Number |
19350078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新倉 謙一 Hokkaido University, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 健太朗 京都薬科大学, 教授 (70262540)
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (90221762)
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Keywords | 糖鎖 / 量子ドット / イメージング / 細胞ストレス / N-アセチルグルコサミン |
Research Abstract |
O-GlcNAc化をはじめとするタンパク質の糖鎖修飾は、タンパク質の品質管理や恒常性の維持といった細胞がストレスに応答するための機能に重要な役割を果たしていることが示唆されてきている。本研究では糖鎖修飾と細胞のストレス応答との関連を検討し、量子ドット並びに金ナノ微粒子を用いることで簡便かつ原理の新しいストレス検出法の開発を目指した。水溶性CdTe量子ドット、及び糖鎖表面提示のためのチオール化合物を合成し、表面交換反応によって糖鎖を提示した量子ドットを作製した。HeLa細胞をジキトニン処理により可透過にし、様々な糖鎖を提示したSugar-QDsを添加し、蛍光観察により細胞への結合能を検討した。さらに数種のストレス誘導因子を暴露させた細胞に対し同様の操作を行い、特にストレス応答と関連が深いと考えられるGlcNAc-QDsの結合量が対照群に対してどのように変化するのかを定量した。またGlcNAc認識能を持つストレスタンパク質であるHSP70ファミリーの発現量を、同様の暴露条件下においてRT-PCRにより定量化しGlcNAc-QDの結果と比較した。結果、細胞ストレスを誘発する化合物において、暴露濃度に従ってCdCl_2、Sodium ArseniteではGlcNAc-QDsの結合量が増加したが、HgCl_2では減少し、CoCl_2では特に変化がなかった。さらにRT-PCRにおけるHSP70ファミリーの発現との相関を詳細に検討したところ、GlcNAc-QDsの結合量はHSP70ファミリーの発現量と正の相関関係にあることを見いだした。今後はこれらのデータを元に、既存のストレス検出法との比較やプローブの改良による感度の改善等を検討してゆく。
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Research Products
(10 results)