2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の一分子計測を目指した新しいプローブ分子の開発
Project/Area Number |
19350084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 行男 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90109059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多喜 正泰 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (70378850)
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Keywords | 一分子計測 / トロポニンC / ジアステレオマー / 蛍光偏光測定 / 二官能基性 / 希土類 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
タンパク質の一分子計測はプロテオミクス研究において、究極かつ本質的な情報をもたらす手法である。本研究課題では筋収縮弛緩機構の解明を目指し、トロポニンCの一分子計測を可能とする新規なプローブ分子の開発を進めている。まず、二官能性蛍光ラベル剤の開発については、タンパク質結合後に一様なコンフォメーションをとる新たな二官能基型蛍光ラベル剤BRosの設計・合成に着手した。BRosの物理化学的特性を既存のBRhoと比較検討し、ラベル化剤としての有用性を明らかにした。さらにトロポニンCのαヘリックス部分のモデルペプチドを用いてラベル化後のコンフォメーションについてHPLCを用いて検討したところ、BRhoではジアステレオマーの生成によって2種類のフラグメントが確認されたのに対し、BRosでは単一の成分のみを与えたことから、BRos結合後のタンパク質では一様のコンフォメーションを有していることが明らかにされた。さらに1H HMRの解析から、αヘリックス上におけるBRhoとBRosの違いは、カルボキシ基の有無によるリシン残基との水素結合に起因していることが判明した。これらの成果は、平成20年度の研究計画であるトロポニンCの一分子イメージングにおいて非常に有用なものである。また、希土類蛍光ラベル剤の開発については、励起したトリプトファン残基からのエネルギー移動によって発光する希土類錯体の合成を行った。さらに、トリプトファンの位置を調整し、エネルギー移動効率が最も高いアミノ酸配列(タグ)を決定した。平成20年度はこれらの研究成果を踏まえて、タンパク質の認識、イメージングに取り組む。
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Research Products
(14 results)