Research Abstract |
本研究の目的,ならびに平成21年度実施計画に基づき,下記の研究を行った。 1.前年度までの成果として得られた新発想アフィニティ担体に,種々の生理活性物質をリガンドとして担持し,その標的タンパク質を検索した。 2.キャピラリ内で作成したフロースルー可能なアフィニティ担体を用い,キャピラリアレー型とすることにより,その分子認識能を検討することにより,表面特性を明らかにした。 3.今までに得られた成果を結集し,効率のよい標的タンパク質検索を可能にする方法を詳細に検討した。 その結果,担体となるアフィニティ樹脂の表面状態,特に化学的な性質,およびソフト界面であるか否か,が同じリガンドを担持した場合でも,そのタンパク質捕捉能に大きな「差異」を与えることが明らかとなった。これらの結果の原因を究明するために,担体主成分でもあるポリエチレングリコール鎖を含むポリマーをモノリス構造としてキャピラリ内に作成し,セミミクロ高速液体クロマトグラフを用いてその分子認識能について詳細に検討を行った。 その結果,新規アフィニティ担体は,比較的弱い疎水性認識を基とし,カルボン酸,フェノール類などに対して付加的な保持を示す極めて面白い分子認識能を有することが明らかとなった。これらのことを総合し,表面に第三の修飾をおこたったアフィニティ樹脂において,様々なリガンドに対応できうるアフィニティ樹脂を得ることができた。
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