2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大江 浩一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90213636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 康嗣 京都大学, 工学研究科, 助教 (60422979)
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Keywords | 遷移金属触媒反応 / カルベン / 炭素-炭素結合生成 / 双性イオン / メタラシクロヘキサジェン / スピロフルオレン / インデノフラン / インデノチオフェン |
Research Abstract |
インデンの簡便合成法の開発 1-アリール-2-プロピニルカルボン酸エステルを塩化白金触媒の存在下反応させると、インデン誘導体が生成することを明らかにした。また、エステルのアリール基上の3,4位の電子供与性置換基が生成物の選択性と収率に大きく影響すること、反応が双性イオン型中間体の異性化を経て進行することを明らかにした。さらに、2-アリールー3-ブチニルカルボン酸エステルからは、二級の場合と比較して極めて容易にインデンを与えることを見出した。また、1,1-ジアリールー3-プロピニルカルボン酸エステルからは使用する触媒によって二重結合の位置が異なるインデンが生成する。生成物間の異性化がないことにより、金属によってインデン生成の機構が異なることを示した。また、アルキン末端水素およびアリール基の5つの水素を重水素化した基質を用いて反応を行い、生成物における重水素の分布からインデン生成機構が、カルベン中心の芳香族親電子置換型反応および電子環状反応によるメタラシクロヘキサジェンを経る2種類に分類できることを明らかにした。 剛直なスピロ構造を含む複素環の合成 励起状態の分子間相互作用を抑制することを目的に新たにスピロフルオレン骨格を有するスピロインデノフラン、-チオフェン、-ピロールの合成に成功した。この合成法を応用し、ジスピロフルオレン骨格を有するビスインデノフラン、-チオフェン、および-ピロールの合成法を新たに確立した。また、単結晶X線構造解析により、これらの化合物の構造の特徴を明らかにした。特に、中心の複素環の種類により、2つのフルオレン面の角度や距離に違いが生じることを明らかにした。これらの化合物は、2つの剛直なスピロフルオレン構造により高いガラス転移温度を有することや、スピロ構造を持たない対応するビスインデノ複素環に比較して共役長が有効に伸び、際立った発光性を示すことを明らかにした。
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