2008 Fiscal Year Annual Research Report
革新的分子集積デバイスの開発を目指したパイ共役分子材料の組織化と機能探索
Project/Area Number |
19350094
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
播磨 裕 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (20156524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今栄 一郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90293399)
大山 陽介 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60403581)
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Keywords | 分子集積デバイス / パイ電子共役分子 / 有機半導体 / 構造制御 / 色素増感太陽電池 / 組織化 / 変調分光法 |
Research Abstract |
2名の研究分担者と共に,以下の観点から研究を実施し,下記の成果を得た。 1)光エネルギー変換デバイス(有機薄膜太陽電池,色素増感太陽電池) 前年度に合成し,物性評価を行ったベンゾフラノカルバゾールの中から有望な色素を選び,有機薄膜太陽電池を試作し,機能評価を行った。また,色素増感太陽電池用色素としての可能性もあわせて検討した。機能評価の結果を分子設計にフィードバックすることによって高機能色素の開発を行った。 2)電気二重層キャパシタ グラファイトから単層グラファイト(グラフェン)を作成する手法を検討した。グラファイト酸化物の電気化学還元により,ヒドラジンを用いる従来の化学還元法よりも安全で短時間にグラフェンの凝集体が得られることを見出した。得られた導電性粉末を用いて電気二重層キャパシタを試作した。 3)透明導電性材料の開発 オリゴチオフェンを有するアルコキシシランを合成し,ガラス表面のOH基との脱水縮合を利用して,可視領域で透明で,導電性を有する薄膜を作成することに成功した。薄膜はガラス基板と化学的に結合しており,機械的な強度を有していることから,ITO電極に代わる透明導電材料として期待される。 4)電荷変調分光法の開発 分子集積デバイスの駆動時には,分子薄膜中でカチオン種やアニオン種が生成し,電荷輸送を担う。これらの電荷担体の分光学的検出を目途に電荷変調分光法の開発を行った。その結果,有機EL素子のホール輸送層として用いられるTPD分子やNPD分子について,そのカチオン種の吸収スペクトル測定に成功した。また,薄膜中ではIV-CT帯が観測されないことや,絶縁層が厚い場合には光干渉効果と光学的Karr効果によるシグナルが観測されることを見出した。
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Research Products
(13 results)