2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19350095
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小川 昭弥 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (30183031)
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Keywords | パイ共役系分子 / ヘテロ元素 / 複合同時導入法 / 有機発光素子 / ラジカル反応 / 遷移金属触媒反応 / ヘテロ原子複合材料 / ヘテロ環化合物 |
Research Abstract |
研究計画に従い、本年度はこれまでの研究で新たに合成した機能性分子の機能評価について検討した。アセチレン骨格へのヘテロ元素導入については、イオウ、セレン、テルル、窒素、リンの選択的な導入が可能となった。さらに従来のシンプルな低分子に加え、フェロセンやポルフィリンを有するアセチレンに本複合導入法を適用した結果、これら機能性骨格に対しても反応が良好に進行することを新たに見出した。導電性材料としての展開が可能なフェロセン誘導体については、昨年度、イオウ原子導入にともなうポテンシャル変化の系統的な取得を行ったが、本年度はセレン-テルルの複合導入も可能となり、カルコゲン全般にわたるレドックスポテンシャルの系統的変化の追跡に成功した。また、その検討の中で、カルコゲン部位の二重付加が選択的に生起することが明らかとなった。この成果をバンドギャップの狭小化に適用すべく、検討を進めている。 さらに、ベンゼン骨格を有するアセチレンへの選択的なイオウ導入を行った化合物について、イオウのカチオン化によって、光機能の増加を図った。具体的には、ビニルスルフィドのイオウ部位に対してメチル化を行い、吸収、発光を測定した。その結果、吸収光に大きな変化を生じさせることなく、発光効率が飛躍的に上昇することが観測された。カチオン化を行っていない化合物に比べると、発光量は6倍に増大した。これに加え、計画書に従い、合成した含イオウ高分子への金属元素の配位について、検討したところ、パラジウム金属の配位が可能であることを明らかにした。
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