2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体ナノポーラス構造のサイズ制御と機能化による医用材料への展開
Project/Area Number |
19350107
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
上原 宏樹 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70292620)
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Keywords | ナノ・ポーラス / ブロック共重合体 / 細孔膜 / 医用材料 / 自己組織化 / インテリジェント・メンブレン |
Research Abstract |
本研究では,研究代表者がこれまでに成功している「ブロック共重合体の自己組織化構造からのナノ・ポーラス膜の創製」技術を発展させて,これら連続細孔のサイズを自在に制御できる配向技術の構築及びその過程における相構造形成メカニズムについて検討を行った。 まず,ブロック共重合体が形成する結晶/非晶の共連続相構造のサイズ・規則性を自在に制御するための配向処理方法の確立を目指して,連携企業と協力して「平面拡張延伸装置」を新たに設計・試作した。これを用いてブロック共重合体フィルムを平面方向に拡張延伸したところ,延伸条件を工夫することによって良好な延伸膜を得ることができた。 このフィルムの微細構造を電子顕微鏡にて3次元解析したところ,延伸前と同様,結晶/非晶、相分離構造が互いに連結した共連続構造を取っていることが明らかとなった。また,シンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱測定においても,これを支持する結果が得られた。 今後,このようにして得られた膜をエッチング処理することで,非晶相のみを選択的に除去し,異なるサイズ、規則性を有するナノ・ポーラス膜を調製する。これらの膜中の細孔壁表面には酸処理によって-COOH基や-NO2基が分布していると考えられるので,これらを足場として異なる機能を有する化学種の修飾を行い,生体分子の選別あるいはセンシングを試みる。また,このナノ・ポーラス膜上での細胞組織の増殖を行い,生体適合材料としての可能性を検討する。
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