2008 Fiscal Year Annual Research Report
大型電池用セパレータとして最適な液晶高分子ナノ繊維薄膜状集合体の開発
Project/Area Number |
19350108
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小形 信男 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 教授 (70108249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 幸治 福井大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50292446)
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Keywords | ナノファイバー / レーザー溶融静電紡糸 / コンジューケート繊維 |
Research Abstract |
大型リチウムイオン電池用に使用できるナノファイバーマットを作ることが本研究の最終目的である.このために、昨年度に引き続き、開発した溶融型静電紡糸装置を改良することおよび紡糸する材料に工夫を凝らすことにより、ナノファイバーが多くの高分子から得られるようにすることを第一の課題として研究を行った.その結果、紡糸空間が加熱できるように改良し、繊維径が微細になる傾向が液晶性高分子ポリアリレートの場合認められた.さらに、細径化をポリアリレートから達成するために材料に工夫をしたが、ナノファイバーを安定的に得られなかった.しかし、ポリアリレートとエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を複合したロッドから繊維作製を試みた結果、さらに細いファイバーが得られる傾向があることが分かった.この原因は、レーザー光の照射により二つの融液が生成し、その融液間の相互作用により細径化が達成されたと考えた.この結果の一般性を検討するため、EVOHを含む分割繊維束(EVOH/PP, EVOH/PLA)から繊維形成を試みた結果、600nm程度の平均径を持つ繊維が得られること、およびナノファイバー作製には、紡糸する材料の複合化は重要であることが分かった.ナノファイバーの構造と物性を調べた結果、紡糸された液晶性高分子以外の繊維は,非晶性であり,繊維方向に分子が並んでいないことが分かった.ただし,液晶形成能のあるポリアリレートナノファイバーには分子配向性が認められた.この原因は、静電紡糸過程での低いせん断力でも液晶性高分子は分子配向するためと考えた.ロッド状ポリアリレートから半径1.5cmの繊維マットは、得られたがその均一性に問題があったので、電池に組み込むまで発展できなかった.
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Research Products
(11 results)