2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガスレーザーナノスピニング法によるナノファイバーおよびナノシートの創製
Project/Area Number |
19350109
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鈴木 章泰 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70216357)
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Keywords | ナノファイバー / ナノシート / 炭酸ガスレーザー / 超延伸 |
Research Abstract |
申請者は真空中で高出力の炭酸ガスレーザーを繊維に照射するとナノファイバーが得られることを見出した。この方法では、真空中に繊維を供給するオリフィスで超音速流が発生し、さらに、真空中に流入した空気の断熱膨張により超音速気体の温度は低下する。すなわち、繊維は低温の超音速流の中で高出力のレーザーを照射され、ナノファイバー化される。本方法は、現在、ナノファイバー作製法の主流であるエレクトロスピニング法とは異なり、溶剤を使用せずに、ナノファイバーが容易に得られ、幅広い材料に適用出来ることが大きな特徴である。 本研究の目的は、1.超音速中での炭酸ガスレーザーナノスピニング法を確立し、2.ナノファイバー化のメカニズムを解明し、3.ポリエチレンレテフタレート(PET)、生分解性のポリ乳酸(PLLA)、生体吸収性のポリグリコール酸(PGA)やフッ素系(PFAなど)のナノファイバーを作製し、その高次構造を明らかにし、4.さらにナノシートを作製し、その応用展開を検討することである。 本研究の成果は1.装置の設計・作製し、2.コンピュターシュミレーションによる超音速流の速度分布および超音速流中で発生する力(せん断力、圧縮力)を解析し、3.PET、PLLA、PGAやPFAのナノファイバーを作製し、4.複数本の繊維を同時にナノファイバー化できる装置を開発して均一なナノシート作製への足がかりを得たことである。 以上のように、本研究成果は、従来のナノファイバー作製法に比べ、種々の材料に適用可能なナノファーバー作製法を提案できたことである。今後、本方法は、ナノシートやナノファイバー作製法として、さらに発展が期待される。
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Research Products
(16 results)