2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇山 浩 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70203594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90425041)
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Keywords | バイオプラスチック / 植物油指 / エポキシ化大豆油 / セルロース / 複合材料 / 再生可能資源 |
Research Abstract |
木質パルプの機械的な解繊によって直径がナノからマイクロメートルオーダーにまで微細化されたミクロフィブリル化セルロース(MFC)の存在下にエポキシ化大豆油(ESO)の硬化を行うことにより、植物油脂-セルロースファイバー複合材料を開発した。十分に乾燥させたMFCのシート成形物に触媒量のカチオン熱潜在性開始剤を含むESOを含浸・熱硬化させることにより複合材料を得た。ESO-MFC複合材料ならびに、ESO単独硬化物、MFCシートの動的粘弾性を測定した。ESO単独硬化物では-30℃付近からガラス転移による貯蔵弾性率の大きな減少が確認され、MFCシート単独では測定温度範囲で貯蔵弾性率の大きな変化は見られず、熱的に安定な材料であることがわかった。このMFCシートにESOを含浸・硬化させることで得られるESO-MFC複合材料は多孔質なMFCシートに比べ高い貯蔵弾性率を示し、さらにMFCの補強効果によりESO硬化物のゴム領域における貯蔵弾性率の減少が大きく低減した。また、MFC導入率の高い複合材料ほど補強効果が大きく、高い貯蔵弾性率を維持した。一軸伸張試験では、ESO-MFC複合材料はESO単独硬化物やMFCシートより高い破断応力を示した。MFCの導入率の増加と相関して破断応力が向上し、MFC導入率52wt%の複合材料において最大の58MPaにまで向上した。これはESO単独硬化物の破断応力2MPaの29倍となる。また、一軸伸張試験後の試料の破断面のSEM観察により、複合材料の破断面でファイバーが分散していることを確認した。このことから複合材料中にMFCが良好に分散していることが示唆された。
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