2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇山 浩 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70203594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90425041)
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Keywords | バイオプラスチック / エポキシ化大豆油 / 植物油脂 / ケナフ / 再生可能資源 / 複合材料 |
Research Abstract |
ケナフ繊維不織布にエポキシ化大豆油(ESO)を含浸・硬化させることで、ESO-ケナフ繊維複合材料を合成した。SEM観察により、複合材料中にケナフ繊維が良好に分散していることが確認した。用いたケナフ繊維の配向に偏りがあるため、複合材料の物性評価が垂直2方向に沿って切り出した試料で行った。ESO単独硬化物とケナフ繊維導入率44wt%の複合材料の動的粘弾性測定では、高強度のケナフ繊維を導入した複合材料はI、IIいずれの方向に沿ってもESO硬化物のゴム領域において高い貯蔵弾性率を維持したが、特にケナフ繊維の配向度の高い方向IIにおいて最も高い貯蔵弾性率を示した。これは繊維の配向度の高い方向ほど補強効果が大きいためと考えられる。一軸伸張試験では、ケナフ繊維導入率44wt%の複合材料では繊維の補強効果によって最大応力が27MPaとESO単独硬化物のおよそ14倍にまで向上した。しかし、ESO-ケナフ繊維複合材料では、応力が最大点を示した後に緩やかに減少し、その後に破断点が検出された。これは、高荷重時にESO硬化物が崩壊し始め、ケナフ繊維との剥離が生じたためと推察され、一軸伸張試験後の試験片の破断面で多数のケナフ繊維の毛羽立ちが確認されたことから、この推察が支持された。そのため、ESO-ケナフ繊維複合材料ではESO硬化物に比べ機械的強度が大きく向上するものの、ESO硬化物の強度が低いために、ケナフ繊維が補強材としての効果を最大限に発揮する前に抜けてしまうということがわかった。
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Research Products
(5 results)