2007 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性高分子の分極反転の時空間制御と不揮発性ポリマーメモリーの構築
Project/Area Number |
19350114
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
古川 猛夫 Tokyo University of Science, 理学部第一部, 教授 (90087411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 芳行 東京理科大学, 理学部・第一部, 助教 (80266923)
山本 亮一 群馬産業技術センター, 材料・食品グループ, 独立研究員 (40469888)
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Keywords | 強誘電性高分子 / フッ化ビニリデン / 薄膜 / 走査プローブ顕微法 / 強誘電体メモリー / 分極制御 / 分域構造 / 反転ダイナミクス |
Research Abstract |
強誘電性高分子フッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共重合体の薄膜について、その分極制御および反転ダイナミクスの制御、さらにはポリマーメモリー構築を目指して、分担して研究を進めている。 分極制御として、走査プローブ顕微鏡による局所的な電圧の印加による局所的分極処理をおこない、圧電応答顕微法による分極分布の計測をおこなった。特に、個々の結晶が孤立して生成する超薄膜において個別の結晶の分極処理をおこない、反転機構の分子論的な解明に必要な分域構造の観測およびその分極反転における成長を明らかにするための手法として、単一結晶内の分極反転測定に必要な装置開発をおこなった。 反転ダイナミクスの制御として、短パルスを用いた逐次分極反転、パルス間隔およびパルス幅に対する反転挙動依存性の詳細な解析をおこない、反転特性を支配する種々の要因についての知見を得た。反転を繰り返すことによる反転特性の変化(反転疲労)および時間の経過に伴う反転特性の変化(インプリント)はメモリー応用における重要な障害となるが、その原因として結晶中の格子欠陥が重要であることを示した。 メモリーへの応用のためのモデルとしてこの共重合体をシリコンウエハ上に成膜し、分極反転特性を調べた結果、基本的なメモリー動作が可能であることを示した。問題点として空乏層形成にかかる時間が長いことがわかったが、その原因解明のために反転のダイナミクスを厳密に解析した。特に空乏層領域における電荷挙動の数値解析をおこない、実測データとの比較から反転特性に影響を及ぼす因子について特定した。
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Research Products
(4 results)