2008 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビームによる自己高機能化型有機-無機転換ナノファイバーに関する研究
Project/Area Number |
19350115
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
杉本 雅樹 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (90354943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 洋 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 技術副主幹 (00414574)
出崎 亮 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (10370355)
山本 春也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (70354941)
吉川 正人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40354948)
関 修平 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30273709)
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Keywords | ナノファイバー / 有機-無機転換 / SiCセラミックス / ポリカルボシラン / パラジウム / 触媒担持 / 高セラミック収率 / ポリマーブレンド |
Research Abstract |
触媒性能を有する高機能SiCセラミックナノファイバーの開発を目指し、出発物質となる新規なセラミック前駆体高分子材料を合成した。ケイ素系高分子のポリカルボシラン(PCS)と金属錯体の酢酸パラジウム(Pd(OAc)_2)の溶液を混合・乾燥することにより、新規前駆体を得た。得られた前駆体を分析した結果、PCSとPd(OAc)_2の間で混合時に架橋反応が起こること、焼成時にSiCセラミックスに転換される割合がPCSのみの場合の約56%に対して、81%まで増加することが明らかになった。すなわち、Pd(OAc)_2はPCSの架橋剤として作用することを明らかにした。このことは、前駆体からSiCセラミックスを合成する上で歩留まりが向上することを示す。また、合成した前駆体を不活性ガス中で焼成することによって得られたPd担時SiCセラミックスは、COガスを酸化してCO_2ガスを生成する触媒効果を示した。 以上のことから、前駆体高分子材料を調製することにより、比較的簡便な方法で様々な高機能セラミック材料を合成できる可能性を見出した。本研究でこれまでに開発してきたイオンビーム照射によるSiCナノファイバーの合成方法に、本研究で合成した前駆体高分子材料を出発原料として適用することにより、触媒性能を有するSiCナノファイバーの合成が可能である。これにより、ナノファイバーの最大の特徴である大比表面積を活かした、高効率触媒担持SiCセラミックナノ構造体の開発が期待できる。
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Research Products
(9 results)