2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁性ハイブリッド半導体量子ドットの創製と光スピン機能性開拓
Project/Area Number |
19360001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村山 明宏 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (00333906)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 半導体物性 / 光物性 / ナノ材料 / スピンダイナミクス |
Research Abstract |
平成19年度は、研究実施計画にしたがい、以下の研究を実施した。 まず、分子線エピタキシーにより、ZnMnSe系希薄磁性半導体薄膜や量子井戸とCdSe半導体自己組織化量子ドットの結合型ハイブリッドナノ構造を作製した。特に、ZnMnSe磁性半導体に光生成した励起子スピンをCdSe自己組織化量子ドットに注入・輸送するため、良好なエピタキシャル成長を示すZnSeバリア層を間に挿入したZnMnSe磁性半導体結合エピタキシャルCdSe量子ドットの作製を行った。また、電子ビームリソグラフィーにより、ZnCdMnSe系希薄磁性半導体量子井戸を用いた、直径50nm程度の磁性半導体ドット構造を作製した。 次に、このようにして作製した磁性ハイブリッド半導体量子ドットやナノ構造における光スピンダイナミクスを調べるため、円偏光を用いた磁場中ピコ秒発光分光測定を行った。また、磁場中顕微発光分光システムと、電子ビームリソグラフィーによる試料のメサ形状微細加工を組み合わせ、磁場中での単一量子ドットの発光スペクトル測定を行った。 これにより、ZnMnSeを結合した半導体自己組織化CdSe量子ドットにおいて、量子ドットへの励起子スピン注入ダイナミクスの実時間計測を行うことに成功した。そして、磁性半導体に光生成した励起子スピンを20psという非常に速い時定数により量子ドットへと注入することに成功した。以上の研究成果は、本研究の目的である、磁性半導体と非磁性半導体の新規なトンネル結合型量子ドット(磁性ハイブリッド半導体量子ドット)の創製と、磁性半導体において光生成した電子スピンの非磁性ドットへの輸送・注入操作の実証である。このような研究の進展を踏まえ、半導体量子ドットにおける一連のスピン操作(電子スピンの輸送・注入、緩和の制御、空間的分離や結合操作、スピン情報の取り出し)に関する研究を推進していく。
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Research Products
(24 results)