2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁性ハイブリッド半導体量子ドットの創製と光スピン機能性開拓
Project/Area Number |
19360001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村山 明宏 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00333906)
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Keywords | スピントロニクス / 半導体物性 / 光物性 / ナノ材料 / スピンダイナミクス |
Research Abstract |
研究実施計画にしたがい、平成20年に引き続き本年度は以下の研究を実施した。 (A)磁性ハイブリッド量子ドットの作製 平成20年度に引き続いて、ZnCdMnSe系希薄磁性半導体薄膜・量子井戸を用いたCdSe系半導体自己組織化量子ドットの磁性結合型ハイブリッドナノ構造を作製した。既に、CdSe量子ドットに対してスピン注入可能な光学特性に優れる高品質試料のエピタキシャル成長に成功し磁性半導体から量子ドットへの超高速スピン注入を実現しているが、本年度は注入時のスピン保存状態を詳細に調べ、注入時のスピン損失量の定量化を行うとともに励起光強度依存性などの測定を行い、量子ドットへのスピン注入におけるスピン損失要因を検討した。これは、半導体量子ドットにおける高効率スピン注入を実現するために非常に重要な知見となる。 (B)磁性ハイブリッド量子ドットにおける光スピンダイナミクスの計測と光スピン機能性開拓 平成20年度に引き続いて、上述した磁性ハイブリッド半導体量子ドットに対して各種の磁気光学分光を行い、その光・電子スピン変換機能性の研究を推進した。 まず、スピン注入時におけるスピン損失を定量化するために磁場中におけるスピン分解励起発光分光を行い、トンネルバリア依存性試料の測定などから注入時のスピン損失要因を研究した。 次に、上述した各種の磁性ハイブリッド半導体量子ドットに対して、磁場中スピン分解ピコ秒時間分解発光分光により量子ドットへのスピン注入ダイナミクスの実時間計測を行い、得られた発光の減衰特性とその円偏光特性の時間依存性をもとにドット内スピン緩和時定数と上述したスピン損失ファクターを取り込んだレート方程式解析により、光スピンダイナミクスの詳細な研究を行った。
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Research Products
(13 results)