2007 Fiscal Year Annual Research Report
狭バンドギャップIII-V-N混晶半導体量子ナノ構造の作製と物性応用
Project/Area Number |
19360003
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾鍋 研太郎 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50204227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 竜二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (40343115)
山本 剛久 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (20220478)
矢口 裕之 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50239737)
|
Keywords | エピタキシャル成長 / III-V-N混晶 / 量子ナノ構造 / 量子ドット / InGaAsN / ジメチルヒドラジン / 自己形成量子ドット / 希薄窒化物 |
Research Abstract |
本研究は、InAsN、InGaAsNなどInをその1成分として含むIII-V-N型混晶半導体を用いて、量子細線および量子ドットなど、量子ナノ構造を位置制御性の観点に重点をおきつつ作製する方法を確立し、その大きな量子閉じ込め効果など特徴的な物性に基づく量子ドットレーザーや単一電子トランジスタなどへの応用の基礎となる物性を明らかにすることを目的としている。平成19年度は、そのような目的に沿った以下のような成果を得た。 1)MOVPE成長によりInAsN/GaAs多重量子井戸(MQW)構造を作製し、光学特性において吸収端および発光波長が低エネルギー化することを示し、バルク成長試料に特徴的なBurstein-Moss効果が量子構造において効果的に抑制できることを明らかにした。同時にInAsN混晶においても、III-V-N型混晶に特徴的な"巨大バンドギャップボウイング"が存在することが明らかとなった。 2)MOVPE成長を利用し自己形成機構にもとづくInAsN量子ドットを作製し、成長温度、N/V比、原料供給量依存性の詳細を明らかにした。成長温度400℃において、ドット高さ1-10nm、ドット径18-41nm、ドット密度4-9×10^<10>cm^<-2>を得た。室温フォトルミネッセンス発光1.2μmの特性を得た。 3)InGaAsバルク混晶基板上のInGaAsN薄膜のMOVPE成長において、格子不整合の低減にもとづき低欠陥膜が得られることを明らかにした。 4)MOVPE成長InGaAsN薄膜の発光効率が、光照射によって著しく向上することを見出した。またその原因が結晶欠陥の低減に伴うものであることをラマン分光解析により明らかにした。 5)GaP上のMOVPE成長InGaPN薄膜の光学特性が、成長後の熱処理によって改善されることを明らかにした。
|
Research Products
(14 results)