2008 Fiscal Year Annual Research Report
狭バンドギャップIII-V-N混晶半導体量子ナノ構造の作製と物性応用
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19360003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾鍋 研太郎 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50204227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 竜二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (40343115)
山本 剛久 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (20220478)
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Keywords | エピタキシャル成長 / III-V-N混晶 / 量子ナノ構造 / 量子ドット / InGaAsN |
Research Abstract |
本研究は、InAsN、InGaAsNなどInをその1成分として含むIII-V-N型混晶半導体を用いて、量子細線および量子ドットなど、量子ナノ構造を位置制御性の観点に重点をおきつつ作製する方法を確立し、その大きな量子閉じ込め効果など特徴的な物性に基づく量子ドットレーザーや単一電子トランジスタなどへの応用の基礎となる物性を明らかにすることを目的としている。平成20年度は、19年度の成果を踏まえて、その目的に沿った以下のような成果を得た。 1)InAsおよびGaAs上InAsN混晶のMOVPE成長において、成長温度、DMHy/V比およびAs/In比を変化させた詳細な実験を行い、N濃度2.54%でかっ極めて狭X線回折半値幅の高品質薄膜を実現した。 2)MOVPEおよびRF-MBE成長InAsN薄膜のN濃度とフォトルミネッセンス(PL)発光波長との関係を詳細に解析し、発光波長がIII-V-N型混晶に特徴的な"巨大バンドギャップボウイング"と、N添加に伴うキャリア濃度増大に起因するBurstein-Moss効果の、複合効果によって決定していることを明らかにした。 3)InAsNおよびGaAsN混晶のMOVPE成長において、キャリアガスとしてH2に代えてN2ないしこれらの混合ガスを用いることにより、N濃度および結晶品質の向上を実現できることを明らかにした。 4)InGaAsバルク混晶基板上のlnGaAsN薄膜のMOVPE成長において、格子不整合の低減にもとづき「組成引き込み効果」が発現することを見出すとともに、きわめて低欠陥の混晶薄膜が得られることを明らかにした。 5)InP上のInPN薄膜MOVPE成長を試み、成長温度460℃においてN濃度0.2%の極めて平坦性に優れた混晶薄膜を実現した。
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Research Products
(6 results)