2009 Fiscal Year Annual Research Report
狭バンドギャップIII-V-N混晶半導体量子ナノ構造の作製と物性応用
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19360003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾鍋 研太郎 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50204227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 竜二 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40343115)
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Keywords | エピタキシャル成長 / III-V-N混晶 / 量子ナノ構造 / 量子ドット / InGaAsN |
Research Abstract |
本研究は、InAsN、InGaAsNなどInをその1成分として含むIII-V-N型混晶半導体を用いて、量子細線および量子ドットなど、量子ナノ構造を位置制御性の観点に重点をおきつつ作製する方法を確立し、その大きな量子閉じ込め効果など特徴的な物性に基づく量子ドットレーザーや単一電子トランジスタなどへの応用の基礎となる物性を明らかにすることを目的としている。最終年度となる平成21年度は、19および20年度の成果をふまえて、その目的に沿った以下のような成果を得た。 1)InP基板上のInPN薄膜MOVPE成長において、In原料のトリメチルインジウム(TMIn)とN原料のジメチルヒドラジン(DMHy)の間で生じる付加反応を回避するために原料分離供給法を用いることの有効性を実証した。 2)分離供給法を用いたInP基板上のInPN薄膜MOVPE成長を進め、500℃以下の成長温度において2次元成長が出現することを明らかにするとともに、成長温度460℃においてN濃度0.18%までの極めて平坦性に優れた混晶薄膜を実現した。成長層は成長の2次元/3次元を問わずInP基板に対してコヒーレントに歪んでいることを確認した。 3)Ge基板上のInGaAsN成長を進め、500~550℃の成長温度範囲で、In濃度11.5%、N濃度5.2%までの混晶組成制御を確立し、、In濃度11,5%、N濃度3.6%においてGe基板との格子整合薄膜を実現した。一般にドメイン成長が確認され、成長温度の上昇および格子整合度の増加とともにドメインサイズが増大することが明らかとなった。 4)MOVPE成長InGaAsN/GaAs T型量子細線のフォトルミネッセンス発光特性評価を進め、量子閉じ込め効果にもとづく高輝度発光を確認した。 5)GaAs基板上InGaPN薄膜の高輝度フォトルミネッセンス発光を確認した。
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Research Products
(12 results)