2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子状態・表面形態と電気特性のその場同時計測による有機トランジスタ動作機構の解明
Project/Area Number |
19360004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉木 幸一朗 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70143394)
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Keywords | 電界効果トランジスタ / 両極性 / 自己組織化膜 / ペンタセン / オリゴチオフェン / フタロシアニン / グラフォエピタキシー / 光電子分光 |
Research Abstract |
本研究課題では,(1)薄膜形態と有機トランジスタ特性の相関の解明,(2)電子状態と有機トランジスタ特性の相関の解明,を目的として研究をおこなっているが,今年度の成果は以下のとおりである. 1.グラフォエピタキシーの機構解明 有機トランジスタ薄膜は非晶質のゲート絶縁膜上へ形成されるので薄膜結晶性の制御は難しいが,周期溝を形成した基板上に薄膜成長をおこなうと核形成時に方位の調整がおこなわれて配向度が向上すること(グラフォエピタキシー)を実証したが,さらに基板を有機分子の自己組織化膜で修飾することによって,成長するオリゴチオフェン薄膜の優先方位を制御できることを見出した.一方,基板となるポリミド膜にレーザ光を照射し,偏光により膜の配向性を変化させることにより,その上に成長するペンタセン分子の配向が変化することを見出した.これらの成果は,基板-分子間,分子-分子間のファンデアワールス力の拮抗が薄膜全体の配向を支配する因子であることを示したものであり,多くの系に適用可能である. 2.有機電界果トランジスタ両極性動作機構の解明 有機トランジスタにおいて仕事関数の異なる電極金属を複数用いることによって両極性動作を実現した例は多いが,単一の電極金属でも表面の界面双極子層の有無によって主電荷が電子,ホールのどちらにもなりうることをフタロシアニンについて,トランジスタ特性と光電子分光を同一試料に対する測定から明らかにした.この結果,真性の有機半導体は本来的に両極性であり,有機物質と金属の界面は界面準位が少なくフェルミ準位がピン止めされないことが明らかになった.
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[Journal Article] Surface-mediated Visible-light Photo-oxidation on Pure TiO2(001)2009
Author(s)
H.Ariga, T.Taniike, H.Morikawa, M.Tada, Min, Byoung Koun, K.Watanabe, Y.Matsumoto, S.Ikeda, K.Saiki, Y.Iwasawa
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Journal Title
Journal of American Chemical Society 131
Pages: 14670-14672
Peer Reviewed
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