Research Abstract |
1. Er_2SiO_5光導波路の作製と評価:屈折率1.8,厚さ220nmのEr_2SiO_5をコア, SiO_2(屈折率1.45)を下部クラッド層,ポリマー(屈折率1.54,厚さ4μm,幅5μm)を上部クラッド層とした光導波路構造を作製した。酸化膜層上に40μm厚のSi膜をバッファー層として堆積し,その上にEr_2SiO_5の作製を行うことで,酸化膜の影響の無い良好なEr_2SiO_5膜を得るプロセスを開発した。1480nm, 30mWの光をEr_2SiO_5光導波路層に導入し,良好な光導波特性を観測した。アップコンバーションによる緑,赤の発光が観測されたが,非結晶Er_2O_3と比較して結晶Er_2SiO_5はアップコンバーションが起こりにくいことを明らかにした。 2. Er_xY_<2-x>SiO_5の作製,発光測定,光利得シミュレーション:高濃度Er(2x10^<22>/cm^3)の発光特性,光利得への影響を,実験,理論の両面から評価した。ゾルゲル洗でEr_xY_<2-x>SiO_5を作製し,発光,蛍光寿命を測定した。xが2から0.5程度まではErの1.53μmの発光強度,蛍光寿命はほぼ一定であるが, x=0.1(Er濃度〜1x10^<21>/cm^3)で発光強度が大きく増加し(数倍から数十倍),同時に,低温蛍光寿命が20μs(x=2)から数百μs(x=0.1)とへ長くなった。高濃度Erによるアップコンバーションあるいはエネルギーマイグレーションが短い蛍光寿命に関係していることを示唆する重要な結果である。光利得をシミュレーションにより評価し, ErYSiO_5(x=1),光導波路長700μm,励起光1480nm, 50mWで10dBの利得が期待できることを明らかにした。Er_xY_<2-x>SiO_5を用いたp-Si/Er_xY_<2-x>SiO_5/n-SiダイオードのEL発光,光導波路共振器構造による誘導放出の観測を,現在,準備中である。
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