2007 Fiscal Year Annual Research Report
カイラルフォトニック欠陥を有するナノ周期構造液晶の構築と機能応用
Project/Area Number |
19360010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80304020)
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Keywords | コレステリック液晶 / フォトニック結晶 / 光局在 / レーザー発振 / カイラリティ |
Research Abstract |
カイラル液晶の螺旋周期構造に基づくフォトニック結晶の構築を試みた。特に、フォトニック結晶の欠陥層として螺旋周期構造を有する系、三次元螺旋周期構造を有するコレステリックブルー相を利用した系について検討を行い、さらに、レーザー発振励起にもバンド端効果を利用したバンド端励起について調べた結果、次に挙げる知見を得た。(1)コレステリック螺旋構造を誘電体多層構造で挟んだ系でカイラル欠陥構造を実現し、その二重螺旋周期構造において発現する極めて高いQ値を持つ局在準位を見出し、この局在準位を利用した低閾値レーザー発振を実現した。(2)コレステリックブルー相の発現温度範囲の拡大について検討し、光重合性モノマーを液晶に対して2:1の割合で混合し光重合させた系で形成されるポリマーネットワーク構造により、ブルー相温度範囲が10倍程度に拡大することを見出した。ただし、この温度範囲の拡大は、熱力学的な安定構造ではなく、一旦形成されたブルー相構造が高分子ネットワーク表面においてピン止めされた効果によるものであると考えられる。(3)コレステリック液晶欠陥構造を有する系おけるバンド端励起によるレーザー発振閾値の低減効果を検討し、素子構造の最適化を行った。バンド端励起効果は、レーザー色素濃度が高い場合には顕著でなく、比較的低濃度において閾値低減効果が観測された。さらに、外側誘電体多層周期構造の構造最適化により、レーザー発振閾値をコレステリック液晶単独場合に比較して20分の1に低減することに成功した。
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