2008 Fiscal Year Annual Research Report
カイラルフォトニック欠陥を有するナノ周期構造液晶の構築と機能応用
Project/Area Number |
19360010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80304020)
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Keywords | 液晶 / フォトニック結晶 / 光局在 / コレステリック・ブルー相 |
Research Abstract |
本研究では、自己組織的に螺旋周期構造を形成するカイラル液晶を用いてフォトニック結晶の構築を目指している。本年度では、特に三次元フォトニック結晶の構築を目指して、三次元螺旋構造を形成するコレステリック・ブルー相液晶の安定化と光学的性質を検討し、次に挙げる知見を得た。(1)コレステリック・ブルー相の発現温度範囲の拡大について昨年度得られた知見をもとに、微小領域へのコレステリック・ブルー相液晶の閉じ込め効果を明らかにするために、多孔質メンブレン材料をネットワークとして採用し、その口径依存性等を調べた結果、ブルー相の安定化に最適な口径が存在することが明らかになった。(2)この場合の安定化も熱力学安定状態が実現されているのではなく、分子のネットワーク界面でのピン留め効果であること推察できる。(3)ネットワークと液晶分子との相互作用を検討するために、メンブレン表面を液晶性高分子等で処理して安定性を検討した結果、多孔質ネットワークの界面状態が液晶分子のピン留め効果に重要な役割を果たし、温度範囲拡大に寄与していることが明らかになった。(4)熱動力学的計算より計算したコレステリック・ブルー相の配向テンソル分布を用いて、時間領域差分法(FDTD)法によりフォトニックバンド計算を行い、これまで考えられてきたような単なる螺旋構造からの選択反射では説明できない光学的性質を示し、コレステリック・ブルー相の欠陥の寄与を考慮に入れた検討が必要であることを明らかとなった。
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