2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度・高分解能界面分析によるゲート絶縁膜/シリコン界面構造の決定
Project/Area Number |
19360014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 健雄 Tohoku University, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (10061516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健二 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50127073)
中島 薫 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80293885)
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 准教授 (30241110)
寺本 章伸 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (80359554)
木下 豊彦 (財)高輝度光科学研究センター, 分光物性IIグループ, 分光物性IIグループリーダー (60202040)
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Keywords | シリコン酸化膜 / シリコン窒化膜 / 光電子分光法 |
Research Abstract |
低温プロセスであるラジカル窒化法によってゲート絶縁膜を形成したMISデバイス特性は、熱酸化法によりゲート絶縁膜を形成したMOSトランジスタの特性と同等かそれ以上であり、ゲート絶縁膜の膜厚が2nmより薄くなるとリーク電流が格段に抑制される。酸化膜が面密度の低いSi(100)面で良好なMOSデバイス特性を示すのに対し、Si_3N_4/Si界面遷移層における中問窒化状態量は面密度の高いSi(110)面で最も小さくなり良好なMOSデバイス特性を示すことが期待される。したがって、界面構造の面方位依存性と界面における伝導帯および価電子帯のバンドオフセット量を明らかにすることは、実用上重要である。平成19年度は、Si(100)面、Si(111)面、Si(110)面に、Xe/NH3プラズマにより生成されたNHラジカルよって形成した膜厚1.0nmのシリコン窒化膜/シリコン基板界面構造について、高分解能角度分解光電子分光法を用いて解析を行った。解析には、従来の窒化膜層を膜厚のパラメータで定義したモデルから、シリコンと窒素の結合から成る層の積層で定義したモデルを用いた。このことにより、従来のモデルでは光電子の信号は、窒化膜中において平均的な減衰を受けるが、本モデルでは各層における光電子の減衰を考慮した解析となる。その結果、ラジカル窒化のより形成されたシリコン窒化膜/シリコン基板界面は、面方位に依らず、構造遷移層が1層から成る極めて急峻な界面が形成されていることを明らかにした。非常に急峻かつ良好な界面が形成されることは、MOSFETの電気的特性の向上に大きく貢献するものである。また、将来の高誘電ゲート絶縁膜のバッファー層としても十分な性能を有するものである。
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