2008 Fiscal Year Annual Research Report
局所的フォーススペクトル法による単原子物性計測手法の確立
Project/Area Number |
19360017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 真之 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00362666)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / フォーススペクトロスコピー / 交換型原子操作 / フォーススペクトロスコピー / フォースマッピング / 原子識別 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
1.アトムトラッキング技術とフィードフォーワード技術を組み合わせることで、室温における非接触原子間力顕微鏡を用いたフォーススペクトロスコピーおよび原子操作実験の精度を向上させた。さらに、表面の力の場を可視化できるフォースマッピングの精度を向上させることに成功した。 2.フォースマッピング法を原子識別実験に適用した。具体的には、(Si,Pb,Sn)/Si(111)-(√3×√3)表面の3元素を識別することに利用した。原子間力顕微鏡凹凸像では、あたかも2種類しかないように見えるが、フォースマッピングによって、相互作用力の2次元分布を視覚的にとらえることが可能となり、3腫類の原子が存在することが実証できた。 3.上記2.の手法を応用して、原子の識別を画像として得ることに成功した。具体的には、探針-試料間距離を変調し得られた応答は原子間結合力に相当することから、その応答の振幅を画像化した。その結果、フォーススペクトロスコピーやフォースマッピングでは時間と技術が必要であった原子識別実験を、簡単に高速に行えることが可能になった。 4.原子間力顕微鏡の探針先端に存在する原子を、ペンのインクのように試料表面に埋め込む技術を開発した。再現性を実証するために、シリコン製探針をもちいてスズの表面にシリコン原子を埋め込んでいき、文字を書いた(描いた)。 5.フォースマッピングによって、非接触原子間力顕微鏡の画像化機構の解明を行った。具体的には、Si(111)-(7×7)表面上で周波数シフトマッピングを行うことによって、力のマップ、さらにポテンシャルマップ、水平力マップを算出し、カンチレバーの振動振幅によって、得られるコントラストが変わることを実証した。
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Research Products
(38 results)