2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科(研究院), 教授 (10214305)
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Keywords | 表面プラズモン / 非線形光学 / ナノ微粒子 |
Research Abstract |
これまで、1ナノメートル程度のギャップを介して金属表面に固定化された金ナノ微粒子(SIGN)が 局在表面プラズモン共鳴に起因する大きな電場増強効果を示し、かつ、中心対称性性を欠く構造であることから、強い光第2高調波(SHG)が発生することを明らかにしてきた。さらに、SHGの位相が微粒子の場所により異なることを実験的に示して、理論計算との比較をおこなってきた。 本年度は、単一金ナノ微粒子によるSIGN構造からのSHG測定を行い、ナノ微粒子近傍に発生する増強された電場分布の検討を詳細に行った。得られた結果を高次の多重極子展開行った計算との比較を行い、ナノ構造と増強電場の関係を定量的に考察した。単一ナノ微粒子構造の作製条件を綿密に検討し、サンプルの作製を行った。落射顕微鏡または倒立顕微鏡下における通常の反射ジオメトリの他に全反射減衰法を用いた暗視野非線形光学測定を行い、SN比が向上し分光測定を行うことに成功した。全反射減衰法での検出も検討したが、金の膜厚が非常に薄くした場合でも光吸収が無視できないため、SN比の向上は得られなかった。この実験により得られた入射偏光および散乱光偏光の依存性を調べ、計算機実験結果との比較により電場分布を定量的にもとめ、計算結果と良い一致を示すことがわかった。さらに、位相測定を行ない、ナノ微粒子の各場所におけるSHG光の位相を調べた結果、理論計算と測定結果に矛盾が無いことがわかった。
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Research Products
(4 results)