2007 Fiscal Year Annual Research Report
パルス捕捉を用いた可視域における広帯域超短パルス光源の開発
Project/Area Number |
19360031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西澤 典彦 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30273288)
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Keywords | 超短パルス / フォトニック結晶ファイバ / スーパーコンティニューム / ファイバレーザー / パルス捕捉 / 非線形光学効果 / 可視域 / ソリトン |
Research Abstract |
本年度は,研究目的・計画に基づき研究を実施し,それぞれ下記の成果を得た. 1.フォトニック結晶ファイバにおける超短パルス光による超高速非線形現象の特性解析 まずTi:Saphireレーザーを用いて,各種フォトニック結晶ファイバにおける超短パルス光の伝搬特性を実験的に解析した.そして,波長800nm帯の励起パルスを用いたときに,最も広帯域,且つ平坦に広がるフォトニック結晶ファイバの特性を見出した. 2.フォトニック結晶ファイバを用いた全ファイバ型可視〜近赤外域スーパーコンティニューム(SC)光源の開発 波長1.55umで発振するEr添加超短パルスファイバレーザーからの出力パルスを,新規に開発したEr添加ファイバによるチャープパルス増幅システムを用いて増幅し,大口径フォトニック結晶ファイバを用いて分散補償することにより,高強度超短パルス光を生成した.更に,周期分極反転結晶を用いて第2高調波パルスを生成し,非線形性の高いフォトニック結晶ファイバに結合して,波長450-1400nmの可視〜近赤外に渡って広がる超広帯域スーパーコンティニューム光源を開発することに成功した.平坦性は帯域全域に渡って±6dBと良好で,また光強度34mWと高い光出力を得ることができた. 3.フォトニック結晶ファイバにおけるパルス捕捉現象の特性解析 次に,上記で開発した全ファイバ型システムにおいて,SC光生成時におけるパルス捕捉の振る舞いを実験的に観測することに成功した.これにより,フォトニック結晶ファイバにおいても,SC光スペクトルの短波長端が,長波長端のソリトンパルスによるパルス捕捉によって広げられている可能性が高いことが実験的に初めて明らかになった.
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