Research Abstract |
本年度は,研究目的・計画に基づき研究を実施し,それぞれ下記の成果を得た. 1.フォトニック結晶ファイバを用いた可視域波長可変超短パルス光の生成 まず,Nd:Glassレーザーから出力されるパルス光を周期分極反転結晶に集光して第2高調波を生成する.そして二つのパルスを零分散波長が800nm帯にあり,群速度整合をほぼ満たすフォトニック結晶ファイバに結合して,パルス捕捉を誘起する.そして,基本波の強度を変化させることで長波長側にシフトするラマンソリトンパルスを生成し,また,このソリトンパルスによって第2高調波のパルス光を捕捉し,波長を短波長側にシフトさせる.このように,パルス捕捉を用いて可視域における波長可変超短パルス光を生成した.今回の実験では,530nmから450nmまでの連続的な波長シフトを得ることができた. 2.フォトニック結晶ファイバにおけるパルス捕捉現象の特性解析 上記1と同様にして生成した第2高調波パルスと基本波をダイクロイックミラーを用いて分離し,光路差を調整した後,ダイクロイックミラーにおいて再び重ね合わせる.そして重ね合わせた光を特性の異なるフォトニック結晶ファイバに結合し,パルス捕捉の特性を評価した.今回の実験では,時間差を最適に調整することで,最大95%の捕捉効率を得ることができた.また,パルス捕捉の時間応答は0.5ps程度であり,超高速な光制御が実現できることが分かった.また,数値解析も併せて行い,ファイバ長依存性や強度依存性などを明らかにすることができた.数値計算の結果は実験結果と良く一致し,数値計算の信頼性を確認することができた.
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