2008 Fiscal Year Annual Research Report
拡散光を利用したマルチモダリティ生体機能イメージングシステムの構築に関する研究
Project/Area Number |
19360035
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 英史 Keio University, 理工学部, 教授 (40221840)
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Keywords | 応用光学・量子光工学 / 光・画像計測工学 / 生物・生体工学 / シミュレーション工学 / 生体医用光工学 |
Research Abstract |
本研究は,複数のモダリティで測定した生体情報を仮想空間で統合したバーチャル・ファントムを用いて,拡散光イメージングの照射・検出プローブペアによる脳組織内の測定領域(空間感度分布)を推定し,空間感度分布を利用した画像再構成法によって光脳機能イメージングの高精細化を図ることを目的とする.頭部組織の光学特性値は,完全に確立された測定法がなく,現状では測定法によって数値が異なるという問題がある.そこで,光学特性値の誤差が空間感度分布の推定結果に及ぼす影響を検討した.空間感度分布の深さ方向の広がりは頭部組織の光学特性値に大きく依存するのに対し,脳組織表面における広がりは光学特性値の差異の影響が相対的に小さいことが明らかになった.このことは,脳組織表面における機能部位をトポグラフィー画像として計測する場合には,バーチャル・ファントムにおける光学特性値の誤差の影響を受けにくいということを示唆している。また,光脳機能イメージングにおけるプローブの配置が画像の空間分解能に及ぼす影響について検討するため,樹脂を用いた頭部ファントムによる実測評価実験をおこなった.製作した頭部ファントムは,脳組織の任意位置に複数の吸収変化を生じさせることができるもので,2ヶ所で同時に脳機能による吸収変化が生じたときのトポグラフィー画像を計測した.一般に用いられているプローブ配置でイメージングを行った場合,感度の高い位置と低い位置で同時に脳活動が生じると,感度の低い位置の機能画像が不明瞭になることが示された.一方,光脳機能イメージングシステムのチャネル数を増設し,測定点の密度が高くなるようにプローブを配置したところ,感度むらの影響が大幅に低減され,空間分解能が向上した.これらの実測結果は,昨年までのシミュレーション結果の妥当性を裏付けるものである.
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Research Products
(14 results)