2009 Fiscal Year Annual Research Report
拡散光を利用したマルチモダリティ生体機能イメージングシステムの構築に関する研究
Project/Area Number |
19360035
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 英史 Keio University, 理工学部, 教授 (40221840)
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Keywords | 応用光学・量子光工学 / 光・画像計測工学 / 生物・生体工学 / シミュレーション工学 / 生体医用光工学 |
Research Abstract |
本研究では,複数のモダリティで測定した頭部組織の構造情報と光学特性情報を統合したバーチャル・ファントムを仮想空間で構築した.拡散光イメージングのプローブペアに対する脳組織内の測定領域(空間感度分布)をバーチャル・ファントムで推定し,空間感度分布を利用した画像再構成法によって光脳機能イメージングの高精細化を図ることを目的としている.被験者自身の頭部構造に基づいたバーチャル・ファントムと,複数の被験者の平均的な頭部構造から構築したバーチャル・ファントムから空間感度分布を推定し,それらを用いた光脳機能イメージングの画像再構成結果を比較した.まず,脳機能賦活部位の真値を用いて評価をおこなうため,被験者のバーチャル・ファントムを用いてシミュレーションした測定値から脳機能画像を再構成した.被験者自身の頭部構造から求めた空間感度分布を用いた結果よりも,平均的な頭部構造から求めた空間感度分布を用いた方が,真値に近い脳機能画像が得られた. この結果は,画像再構成のための逆問題が不良設定問題であることから,脳機能画像の空間周波数が低いという先験情報を拘束条件としていることに起因している.被験者自身のバーチャル・ファントムは脳溝など複雑な構造が忠実に模擬されているため,空間感度分布にも脳溝などの影響による高い空間周波数成分が含まれている.このことが逆問題の最適解への収束を妨げているものと考えられる.さらに,成人の被験者を対象とした視覚野の光脳機能イメージングに対して,空間感度分布を用いた画像再構成を適用したところ,従来のマッピング法で求めた脳機能画像よりも脳機能賦活領域が局在した,分解能の高い画像が得られた.一方,実測データにノイズが多いと,画像再構成が局所解に収束したと考えられる画像となる場合もあった.提案法を実用化するためには,測定データのSNRの向上も重要な課題となることが示唆された.
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
岡田英史
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Journal Title
精神疾患とNIRS 光トポグラフィー検査による脳機能イメージング(NIRSデータのシミュレーション)(中山書店)
Pages: 共著31-38
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