Research Abstract |
本課題の目的は,広いダイナミックレンジ,高い検出感度など,極めて優れた特長を有しているへテロダイン検出法と,CT(Computed Tomography)の技術を組み合わせた「THzヘテロダインCT法」を開発し,高感度・高精度の透過型および反射型THzイメージングの基盤技術を確立することにある.これに関連する新しいイメージング技術として,被写体内部の奥行き情報を観測するトモシンセシス撮像法の技術の確立も目指した.平成21年度は,主として下記の4項目に関して,撮像特性の評価ならびに検討を進めてきた. (1)透過型THzヘテロダインCT,および(2)反射型THzヘテロダインCT 本年度はまず初めに,20年度に実施した実験系の評価から判明したアルゴリズムおよび機械的な問題点の解消を進めてきた.次に,実験系の最終型を構築し,ダイナミックレンジ,検出感度,撮像特性の最終的な評価を行なった.最終的に透過型および反射型ヘテロダイン法を用いたCT画像の取得を行ない,本課題のまとめとした. (3)THzトモシンセシスイメージング トモシンセシス撮像法の技術を確立するため,最適な撮像法と光学系の検討を進めてきた.具体的には,コントラストの良いCT画像を取得して,被写体内部の奥行き情報をより精度よく抽出するため,画像処理アルゴリズムの改良を重ねてきた.さらに,入射ビームの形状の違いによる画像化シュミレーションを行ない,その有効性について検討を進めてきた. (4)測定対象物とニーズの調査 品質管理や製品検査などの分野で,製品内部の欠陥を画像により診断することを目標とした.実験では,工業製品を中心に混入物や形状が既知の試料を用いて実験を重ね,撮像特性の評価を進めてきた.同時に,応用可能性の調査を進めた. 上記実績から,平成21年度は論文発表1件,学会発表4件の成果となった.
|