2009 Fiscal Year Annual Research Report
応力腐食割れにおける各階層の挙動解明と統合化シミュレーションによる寿命評価
Project/Area Number |
19360047
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
東郷 敬一郎 Shizuoka University, 工学部, 教授 (10155492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 佳伸 静岡大学, 工学部, 准教授 (80272673)
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Keywords | 応力腐食割れ / モンテカルロ・シミュレーション / き裂発生 / き裂合体 / き裂進展 / 表面き裂 / 分布き裂 / オーステナイト系ステンレス鋼 |
Research Abstract |
本研究は,SCCにおける微小き裂発生から大き裂形成にいたる各階層の挙動を解明し,実機における応力腐食割れ(SCC)挙動をモンテカルロ・コンピュータ・シミュレーションにより再現し,寿命評価を行うというものである. 1.SUS304鋼の加速環境下でのSCC試験と微小き裂の発生,合体,進展特性 鋭敏化処理したSUS304鋼の沸騰水型原子炉(BWR)の加速環境下でのSCC試験を,定荷重SCC試験装置に多段応力引張試験片を用いて行い,微小き裂の発生,合体および進展過程を明らかにした. 2.SCC挙動のシミュレーションに基づく予寿命評価法の確立 SCC挙動のシミュレーションを種々のき裂発生条件,合体条件,進展特性をインプットデータとして入力して行った結果,これまで実験により観察されていたSCC挙動を合理的に説明できた。ある条件化でモンテカルロ・シミュレーションを繰り返すことにより,き裂分布,限界き裂長さあるいは最終破壊に達するまでの時間(SCC寿命)等が統計量として得られ、これらの統計量に基づく余寿命評価が可能であることを明らかにした。 3.実機におけるSCC挙動への応用と有効性 鋭敏化度の異なる材料におけるSCC過程をシミュレーションした結果、鋭敏化度が低くなるほど、き裂進展過程が重要となり、数個の主き裂の形成により破壊に至ることが示唆された。このことは実機のSCC挙動の特徴を説明するものである。この結果および前年度開発した大き裂まで解析可能な階層化シミュレーション法により、本手法による実機の寿命予測が可能であることが示された。
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Research Products
(5 results)