2007 Fiscal Year Annual Research Report
X線エネルギ分散法による応力・変形損傷のその場評価システムの開発
Project/Area Number |
19360049
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋庭 義明 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00212431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓介 名城大学, 理工学部, 教授 (80026244)
木村 英彦 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 講師 (60345923)
菖蒲 敬久 原子力機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (90425562)
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Keywords | 白色X線 / 損傷評価 / エネルギー分散法 / 応力測定 / 回折弾性定数 / 回折線幅 / その場観察 |
Research Abstract |
本研究では,各種プラントにおける経年劣化損傷の非破壊評価,残存強度および寿命評価,さらには延命対策などの維持管理技術の確立や,新材料の開発に際して重要となる材料特性評価のために,白色X線を利用して,複数の回折情報を利用する総合的な材料評価システムを構築することを目的とし,今年度は以下のことを明らかとした. 1.Ge半導体検出器ならびに,Moの回転アノードをターゲットに採用して,白色X線を利用したX線回折装置を開発した.管出力として200mA,60kVの負荷が可能である.これによって55keV程度までの高エネルギーX線の発生を可能とした.Fe55の半値幅で160eV以下のエネルギー分解能が達成できた. 2。回折法により得られた格子ひずみから応力を算出するためには,回折弾性定数を決定する必要がある.そのため,変形(負荷)過程の応力測定および変形損傷検出が可能な負荷装置を新規に試作開発した.負荷にはDCモータを用いて,2000Nまでの一軸負荷が可能な引張装置を開発した.ロードセルによる荷重検出,伸び計による試料の変位測定が可能であり,負荷荷重は,測定中に常に一定値となるようにフィードバック機構を取り入れた. 3.材料中に負荷されるひずみは,無ひずみ状態の回折エネルギーと変形後のエネルギー差から求められるが,エネルギーの算出には高精度が要求されるため困難な場合が多い.本研究では,試料を面内で回転させることによって,一軸負荷された状態での格子ひずみと負荷応力の関係を用いることによって高精度に一軸応力を導出する方法を開発した. 4.Cr特性X線を用いて,銅および窒化チタンの薄膜の引張り変形過程下における応力変化および半価幅変化を明らかにし,薄膜化した微細結晶粒材料の変形特性をX線的に検討した.
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Research Products
(4 results)