2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線エネルギ分散法による応力・変形損傷のその場評価システムの開発
Project/Area Number |
19360049
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋庭 義明 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00212431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓介 名城大学, 理工学部, 教授 (80026244)
木村 英彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60345923)
菖蒲 敬久 名古屋大学, 原子力機構・量子ビーム応用研究部門, 研究員 (90425562)
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Keywords | 白色X線 / 損傷評価 / エネルギー分散法 / 応力測定 / 回折弾性定数 / 回折線幅 / その場観察 |
Research Abstract |
本研究では,白色X線を利用して,複数の回折情報を利用する総合的な材料評価システムを構築することを目的とし,今年度は以下のことを明らかとした. 1. 1. 60keVまでの高エネルギー白色X線を用いて,SUS304の薄板の一軸引張負荷下における応力測定を実施した.回折角を25度程度にすることによって,111面から622面までの複数の回折情報が得られた.弾性域から塑性域までの格子ひずみ変化を明確に捉えるとともに,半価幅変化および回折強度変化を抽出することができ,回折面依存性を考慮することによって材料の変形特性を評価する手法として有効であることを示した. 2. 白色および単色の高エネルギー放射光を用いて,丸棒に発生した表面き裂近傍のイメージングによって,き裂の可視化に成功した.またき裂近傍のひずみマッピングも可能であり,応力分布の評価が可能であることを示した. 3. ステンレス鋼のレーザ溶接部近傍のひずみ分布を,放射光の侵入深さ一定法と,ひずみスキャニング法を組み合わせることによって評価する手法を開発するとともに,有限要素法による解析結果と比較することによってその有効性を示した.放射光ひずみ測定法を溶接部材に適用することによって実用性を高めた. 4. スパッタによってナノオーダーの結晶寸法の銅薄膜および窒化チタン薄膜を作成し,その残留応力および引張負荷過程での応力変化およびプロファイル変化を捉える技術を開発した.プロファイル変化は,材料中の転位構造に関連し,ナノ結晶特有の現象を抽出することに成功した.
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Research Products
(19 results)