2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー法による超音波伝播映像のその場計測技術の開発と非破壊検査への応用
Project/Area Number |
19360054
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高坪 純治 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 計測フロンティア研究部門, 主幹研究員 (30357363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (30262108)
遠山 暢之 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (60344165)
宮内 秀和 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (80174126)
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Keywords | 超音波 / レーザー / 可視化 / 非破壊検査 / 欠陥 |
Research Abstract |
本年度は、構造部材を伝わる超音波をその場で映像化できる可搬型の高速計測システムを開発するとともに、本計測システムを鋼構造物やCFRP複合材料のき裂や腐食、はく離などの検出に適用し、超音波伝播映像解析による損傷の検出・評価法を検討した。得られた研究成果を以下に要約する。 1.可搬型超音波可視化探傷装置の試作と性能評価 小型・小出力パルスレーザーを利用した安全でコンパクトな実用的超音波可視化装置を試作し、その性能評価を行った結果、板厚80mmのアルミ板裏面の1mmサイズのスリット傷を表面伝搬映像で検出できた。また、板厚3mmのアルミ平板の裏面にある1mmサイズのスリット傷を3m離れた位置に配置した超音波探触子からの超音波伝搬映像で検出することができた。 2.最適可視化計測条件の調査 鮮明な超音波伝搬映像を取得するための最適計測条件を検討した結果、照射スポット径は超音波の波長以下、レーザー走査ピッチは超音波の波長の半分以下、照射角度は70°以下(垂直入射を0°とする)、走査速度は金属で1kHz以下、CFRPで2kHz以下にすれば、解像度が高く、かつ残響の少ない映像が測定されることが分かった。 3.損傷検出のための画像診断・信号処理手法の開発 進行波の中に埋もれた欠陥エコーを抽出するために、近接3点間の受信信号を同期差分させる信号処理手法を開発した。これにより、進行波の中に埋もれて全く検知できないような欠陥エコーも映像としてはっきりと観察できるようになった。また、き裂周りの超音波伝搬メカニズムを明らかにし、従来の超音波探傷法とは異なるき裂位置標定法を見いだした。本位置標定法は超音波探触子の位置を動かさなくても良いので、専門家でなくとも簡単に欠陥位置を見つけることができる優れた手法である。
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Research Products
(7 results)