2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360055
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
閻 紀旺 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40323042)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厨川 常元 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90170092)
吉原 信人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80374958)
|
Keywords | 光学ガラス / フレネルレンズ / 成形加工 / 金型 / 超精密切削 / プレス成形 / 微細形状 / 表面転写 |
Research Abstract |
本研究では,高温プレス成形を用いてガラス製超薄型フレネルレンズを製作することを目的としている.平成19年度では,(1)非線形熱的特性を持つ金型基材開発および熱処理方法の検討,(2)Ni-Pめっき層の超精密切削加工,(3)多層複合離型膜の開発および(4)初期成形テスト実験を行った. 具体的には:(1)について,金型基材の組織がマルテンサイトからフェライトとセメンタイトに分解するときに起こる体積収縮に着目し,表層Ni-Pめっきと同時に収縮するように非線形的熱的特性を有する基材と熱処理方法を考案した.その結果,金型基材を焼入れ焼戻しした後にNi-Pめっきを施しダイヤモンドバイトでNi-Pめっき層に溝加工を行うという従来の金型に比べて,金型の耐割れ性が著しく向上した.(2)について,ダイヤモンド工具形状や加工条件などを変化させ切削実験を行い,切れ刃のバニシング効果を発生させることで,ナノレベルの表面粗さを達成することができた.(3)について,金型基材・めっき層・離型膜・ガラス間の物質拡散現象および表面形態変化を観察し,金型離型膜劣化のメカニズムを究明した.そして離型膜強度の劣化を抑制するために,特殊な多層複合離型膜を考案し,それによるガラス融着防止の効果を確認している.さらに,次年度の内容を一部前倒し実施し,(4)初期成形テスト実験を行った.まず,専用計測装置を必要とせずに,プレス成型機を用いたガラス高温粘弾性の定量的評価に成功した.そして有限要素法を用いて最適な加熱時間の予測やプレス抵抗の予測も可能にした.これらの基礎検討の成果は,今後薄型フレネルレンズのプレス成形の高精度化に指針を与えるものと考えられる.
|
Research Products
(2 results)