2008 Fiscal Year Annual Research Report
切削力の大幅な低減を可能とする放物線振動切削装置の開発
Project/Area Number |
19360064
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
社本 英二 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (20216146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋野 励 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (80273762)
鈴木 教和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00359754)
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Keywords | 切削加工 / 超音波振動 / 放物線軌跡 / 切削力 / せん断面モデル |
Research Abstract |
1. たわみ振動と縦振動を利用した放物線振動切削装置の開発 約20kHzの縦振動と約40kHzのたわみ振動を合成することにより、放物線軌跡を有する超音波振動装置を設計・試作した。本装置は、極めて小さい切削力で切断を行い得る工業用カッターや医療用メスを目的とするものである。本装置では2つの異なる振動モードが正確に2倍の共振周波数を持つこと、および支持のためにそれらの節点が一致していることが必要であるため、これらの特性について有限要素法解析を駆使して設計を行い、その解析結果を基にして切断装置の試作を行った。 2. たわみ振動と縦振動を利用した放物線振動切削装置の性能評価 上記において開発した放物線振動切削装置の振動特性を評価した。具体的には、振動軌跡を確認し、振幅2〜4ミクロン程度の良好な放物線振動を発生しえることを確認した。また、刃先部に外力を加えて振動軌跡の評価を行うことにより、負荷特性の評価も行った。その結果、0.4N程度の負荷まで振動軌跡の大きな変化を生じずに良好な放物線軌跡を発生しえることを確認した。 3. たわみ振動と縦振動を利用した放物線振動切削加工実験 上記の装置を加工機に組み込み、超音波領域での放物線振動切削による切断加工を試みた。その結果、今回行った実験の範囲では、本装置による効果を確認することができなかった。負荷容量の不足が考えられ、今後本装置に関しては改善が必要と考えられる。
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