2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ秒/連続発振レーザによる透過性硬脆材料の精密微細加工とその知能化
Project/Area Number |
19360065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大村 悦二 Osaka University, 工学研究科, 教授 (90144435)
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Keywords | レーザ加工 / 硬脆材料 / レーザスクライブ / レーザ内部加工 / 吸収係数 / 亀裂 / 熱伝導解析 / 熱応力解析 |
Research Abstract |
本研究では,透過性のナノ秒パルスまたは連続発振のレーザビームを照射することによって誘電体や半導体などの精密微細加工を試み,加工メカニズムの解明とパラメータ制御について学術的立場から検討して産業界の要望に応えることを目的としている.本年度の主な成果は以下のとおりである.(1) ガラスのレーザスクライブにおける亀裂進展解析亀裂深さを予測し,最適なスクライブ条件を簡易に推定するため,有限要素法による二次元熱弾性解析を行った.スクライブ可能な最高速度の推定は,応力拡大係数に静的しきい値を導入することで,亀裂深さの推定は,応力拡大係数に動的しきい値を導入してそれぞれを可能にした.その結果,最適なスクライブ条件を破壊力学に基づく二次元熱弾性解析によって絞り込むことができるようになった.(2) ステルスダイシングにおける亀裂進展解析 透過性レーザによる内部加工をダイシング技術に応用したステルスダイシングについて,これまで行ってきた吸収係数の温度依存性を考慮した熱伝導解析結果を基に二次元熱弾性解析を行い,亀裂進展機構を解析した.その結果,内部き裂生成の可能性および亀裂進展プロセスを示すことができ,これまでの熱伝導解析結果から推測された内部亀裂進展に関する仮説の妥当性が示唆された.(3) 単結晶ダイヤモンドのレーザ加工メカニズム解析ダイヤモンドに対して透過性であるNd : YAGレーザを表面に集光照射したアブレーション加工について熱伝導解析を行い,加工メカニズムを検討した.(a) レーザがダイヤモンド表面または表面層で吸収される場合,(b) レーザがダイヤモンド内で吸収される場合,(c)レーザがダイヤモンドの表面層および材料内で吸収される場合を扱った.その結果,(c)が実験結果を最もよく説明できることを明らかにした.
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Research Products
(20 results)